ウンコ賞応募『隣り合わせの茶色と青春』

「最近のドラマとか映画って、どれも恋愛系ばっかりよね」
「たしかにそうだね、純愛ブームみたいな」
「愛だの恋だの、言ってて恥ずかしくないのかしら。少なくともわたしは恥ずかしいわ」
「まあ、実際に『愛してる』なんてなかなか言えないかもね」
「……ねえ、『恋愛』とか『好き』とかって青臭い言葉を、ぜんぶ『ウンコ』に置き換えたらどうかしら?」
「え、ちょっと引いた」
「いいじゃない、『ウンコ』だったら誰でも簡単に口に出せるでしょ?」
「そのメンタリティもどうかと思うけど、きみ、いちおう女の子なんだし」
「ところでウンコって青臭いわよね」
「え、もう始まってるの?」
「でもね、わたし、けっこうウンコみたいなものに憧れてるんだ」
「……そうなんだ」
「わたし、実はいまウンコしてるのよ」
「置き換えてるんだよね?」
「この際だからウンコしちゃう。わたし、あなたのこと、とってもウンコなの」
「ええと、うん、ぼくも好き、じゃなくて、ぼくもウンコだよ」
「よかった、わたしたちウンコだったのね」
「……ねえ、ぼくたちこれで良かったの? せっかくの告白シーンが茶色に彩られた気がするんだけど」
「I Love Unko、じゃなかったI Unko You」
「いま、ポロリと、本音が」
「明日、ウンコ弁当つくってきてあげる。ぜったい食べてね」
ぼくはもう限界だと思った。
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こんな朝っぱらに何やってるんだろう俺は。
http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20071008/p1