萌理賞没ネタ。「ウィンドバード」に書く勇気もないのでここに晒しておく。


ひとことで言えば、なんとしても近親相姦(?)させようという怨念だけが残った作品。「妹なりきりコンテスト」というイベントが異次元すぎる上に、最後の一文のとってつけた感も異常。無理に前半部分と対応させているのが痛々しい。けっきょく別方面からアイディアが湧いてきたのでそっちを採用したんだけど、内容的にはあまり変わってない罠。ちなみに400字ぴったり。


出来が悪いかどうかは別にして、好きか嫌いかで言えば好きなんだが。

『妹なりきりコンテストのあとで』


「おにいちゃん大好きだよっ」
三十点だな。
棒読みじゃおにいちゃんも嬉しくないだろうよ。
審査員から再び指示が飛ぶ。
しぶしぶと色気の足りないセクシーポーズをとった彼女が、
「おにいちゃんだったら……いいよっ……」
つい笑ってしまう。
それはありえねーだろ。
「わ、わらうなぁっ! ばかぁっ!」
すっかり演技を忘れた彼女が、ステージ上で腕を振り回していた。
こりゃ失格だな。


「なによぅ。あんなのわたしだってやりたくなかったわよぅ」
彼女は参加賞のティッシュを握り締め、ぐじぐじと目元をこすっている。
そんなことなら出なければよかったのに。
「だって賞金が出るって言うから……」
とことんバカなひとだ。
ずっとうつむいたままの彼女を後ろから抱きかかえる。
「……子ども扱いするなぁ、弟のくせにぃ」
「はいはい姉さんは立派な大人の女性ですね」
大人の女性にしては発育のよろしくない彼女をあやしながら、聞こえないように呟く。
姉さん、大好きだよ。